相続登記は義務化されました。過去に亡くなられた方の相続分も、2027年3月31日までに申請が必要です。
遺言書作成支援(公正証書遺言・自筆証書遺言)
長年にわたり相続の現場をお手伝いしてきた立場から申し上げると、遺言書が一通あるかないかで、残されたご家族の負担はまったく違います。分け方が決まっているだけで、話し合いも、書類集めも、手続きの期間も短くなります。
遺言書は、争いを防ぐためだけの書面ではありません。相続人が全国に散らばっている、面識のない親族が相続人になる——そうしたご家庭ほど、遺言書があるかどうかで手続きの難易度が変わります。
当事務所では、文案の作成から必要書類の収集、公証役場との打ち合わせ、証人の手配までお引き受けします。
特にご検討いただきたい方
次のようなご家庭では、遺言書がないと手続きが長引いたり、思わぬところでつまずいたりすることがあります。
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お子さまのいないご夫婦
配偶者と、亡くなった方の兄弟姉妹(すでに亡くなっていれば甥・姪)が相続人になります。面識の薄い方から署名と実印をもらうことになり、手続きが難しくなりがちです。
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再婚され、前のご家庭にお子さまがいる方
前の配偶者との間のお子さまも相続人です。連絡先が分からないことも多く、遺産分割協議に大きな時間がかかります。
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財産の大半が自宅などの不動産
現金と違って分けにくいため、「誰が住むのか」「代わりにいくら渡すのか」で意見が割れます。あらかじめ決めておけば争いを避けられます。
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相続人以外の方に残したい
内縁のご関係、お世話になったお嫁さん、可愛がっているお孫さん。遺言書がなければ、これらの方に財産は渡りません。
ここに当てはまらないご家庭でも、遺言書があって困ることはありません。特に、ご自宅を配偶者へ確実に残したい場合や、事業・農地を特定の方へ引き継がせたい場合は、書面にしておく意味が大きくなります。
方式の違い
遺言書には主に2つの方式があります。さらに自筆証書遺言は、自筆証書遺言書保管制度を利用するかどうかで、亡くなったあとの手続きが変わります。当事務所では確実性を重視して公正証書遺言をおすすめしていますが、ご事情に応じて自筆証書もお手伝いします。
| 公正証書遺言 | 自筆証書遺言ご自宅などで保管する | 自筆証書遺言保管制度を利用する | |
|---|---|---|---|
| 作り方 | 公証人が内容を聞き取って作成します。証人2名以上の立会いが必要です。 | ご本人が全文・日付・氏名を手書きし、押印します。財産目録だけはパソコンでの作成も認められていますが、その各ページに署名と押印が必要です。 | 書き方は左と同じです。作成したうえで、法務局へ保管を申請します。 |
| ご本人にしていただくこと | 公証役場で内容を確認し、署名します。ご自宅や病院への出張も依頼できます。 | 全文の手書き。 | 全文の手書きに加え、ご本人が法務局へ出向いて保管を申請します。代理人が代わって申請することはできません。 |
| 無効になる心配 | 公証人が形式を整えるため、ほとんどありません。 | 日付の書き方や押印の漏れ、書き間違えの直し方など、形式の不備で無効になる例があります。 | 申請の際に遺言書保管官が形式を確認するため、形式面の事故は防げます。ただし内容が有効かどうかまでは確認されません。 |
| 保管 | 原本が公証役場に保管され、紛失・改ざんの心配がありません。 | 紛失する、見つけてもらえない、書き換えられるおそれがあります。 | 原本と画像データを法務局が保管します。 |
| 亡くなったあとの検認 | 不要です。すぐに手続きを始められます。 | 必要です。家庭裁判所へ申し立て、期日までに1か月ほどかかります。 | 不要です。 |
| 費用 | 当事務所の報酬に加え、公証人手数料と証人の日当がかかります。 | 当事務所の報酬のみです。 | 当事務所の報酬に加え、保管申請の手数料(法務局所定)がかかります。 |
このほかに秘密証書遺言という方式もありますが、公証役場で中身の確認を受けないため無効になるおそれが残り、実務ではほとんど使われていません。当事務所でも、公正証書遺言か自筆証書遺言のいずれかをおすすめしています。
なお、押印については2026年の法改正で任意になることが決まっています(後述)。
自筆証書遺言書保管制度の活用
自筆証書遺言の弱点は「紛失する」「見つけてもらえない」「書き換えられる」の3つでした。2020年に始まった自筆証書遺言書保管制度を利用すると、この3つをまとめて解決できます。費用を抑えたい方には、この制度とあわせた自筆証書遺言をご案内しています。
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家庭裁判所の検認が不要
自筆証書遺言は原則として検認という手続きが必要ですが、この制度を利用したものは不要です。相続が始まってすぐ、手続きに入れます。
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形式のチェックを受けられる
申請の際、遺言書保管官が民法の定める形式に合っているかを外形的に確認します。日付の書き方や押印の漏れで無効になる事故を防げます。
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指定した方へ通知が届く
あらかじめ指定しておいた方(最大3名)へ、法務局が戸籍の情報から亡くなったことを確認した時点で通知が届きます。遺言書の存在に気づかれないという事態を避けられます。
この制度を使うかどうかは、遺言者ご自身が選びます。自筆証書遺言を作れば自動的に保管してもらえるわけではありません。保管の申請は、ご本人が法務局へ出向いて行う必要があり、代理人が代わって申請することはできません。申請には法務局所定の手数料がかかります。
また、法務局が確認するのは形式だけです。書かれた内容が有効か、ご希望どおりに実現できるかまでは見てくれませんし、内容の相談にも応じない運用になっています。申請する前の文案づくりが大切なのはこのためです。
書く前に知っておいていただきたいこと
形式さえ整っていれば遺言書は有効になりますが、有効であることと、ご希望どおりに実現できることは別です。実務でつまずきやすい点を挙げます。
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遺留分に配慮する
配偶者・お子さま・ご両親には、最低限受け取れる取り分が保障されています。全体の2分の1(ご両親など直系尊属だけが相続人の場合は3分の1)を、それぞれの相続分に応じて分けた額です。
侵害する遺言書も無効ではなく、請求されたときに金銭を支払う必要が生じるだけですが、あらかじめ配慮しておけば、そもそも争いになりません。
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遺言執行者を決めておく
遺言の内容を実現する役割の人です。決めておけば、金融機関の解約も不動産の名義変更も執行者だけで進められます。
決めていないと、場面によっては相続人全員の関与が必要になり、せっかくの遺言書があっても手続きが止まります。
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財産の書き方を正確に
不動産は登記事項証明書のとおりに、口座は金融機関名・支店名・口座番号まで。あいまいだと、その部分だけ手続きに使えないことがあります。
書き漏れに備えて「その他一切の財産は◯◯に相続させる」という条項も入れておきます。
なお、兄弟姉妹には遺留分がありません。お子さまのいないご夫婦が「すべてを配偶者へ」と遺言を残された場合、兄弟姉妹から取り分を請求されることはありません。この一通があるかないかで、残された配偶者の負担がまったく変わります。
2026年の法改正で、遺言はこう変わります
令和8年6月24日、遺言制度を見直す改正法(民法等の一部を改正する法律・令和8年法律第45号)が公布されました。デジタル技術に対応した新しい方式が加わり、押印の扱いも変わります。ただし施行日はこれから政令で定められるため、いま作る遺言書は現行のルールで作成します。
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押印が任意になります
自筆証書遺言・秘密証書遺言などについて、遺言者と証人の押印の要件が廃止され、押印は任意になります。書き加えや訂正をする際の押印も同じです。
公正証書遺言の押印は、令和5年の公証人法改正ですでに廃止されています。
民法968条ほか/公布から1年以内に施行
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保管証書遺言ができます
パソコンなどで作成した遺言のデータを法務局へ申請し、遺言書保管官の本人確認を受けたうえで、ご本人が遺言の全文を口述して保管してもらう、新しい方式です。
全文を手書きする必要がありません。オンラインでの申請やウェブ会議を使った手続きもでき、検認も不要です。
民法968条の2ほか/公布から3年以内に施行
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保管制度がオンライン化されます
いまの自筆証書遺言書保管制度は、ご本人が法務局へ出向く必要があります。改正後は、オンラインでの保管申請や、ウェブ会議を利用した各種の手続きができるようになります。
証明書の交付請求もオンラインで行えるようになります。
遺言書保管法6条ほか/公布から3年以内に施行
誤解されやすいのですが、自筆証書遺言そのものが手書き不要になるわけではありません。手書きが不要なのは、新しく設けられる保管証書遺言という別の方式です。自筆証書遺言は改正後も、全文・日付・氏名をご本人が手書きします。
施行日は「公布から1年以内」「公布から3年以内」の範囲で政令により定められるもので、まだ決まっていません。改正を待つ理由にはなりません。遺言書はいつでも書き直せますので、いま必要であれば現行の方式で作り、新しい制度が始まってから作り直すこともできます。
料金
| 遺言作成サポート(自筆証書遺言) | 55,000円(税込) |
|---|---|
| 遺言作成サポート(公正証書遺言) | 77,000円(税込) |
| 証人の日当(公正証書遺言) | 16,500円(税込)/1名 |
- 公証人手数料は、財産の額と、財産を受け取る方の人数によって決まります。別途かかります。
- 法務局の保管制度をご利用の場合、保管申請の手数料は別途です。
- 戸籍・住民票・登記事項証明書などの実費は別途です。
- 報酬は料金表のとおりで、ご相談の場で確定した金額をお伝えします。
手続きの流れ(公正証書遺言の場合)
- 1 約60分初回のご相談
財産の内容とご家族の状況、どなたに何を残したいかをうかがいます。
- 2 当事務所が作成文案の作成・書類の収集
ご意向を文章にし、戸籍や登記事項証明書などの必要書類をそろえます。
- 3 当事務所が調整公証役場との打ち合わせ
公証人と文案をすり合わせ、作成の日程を決めます。証人もお手配します。
- 4 当日30分ほど公証役場で作成
内容を確認して署名・押印します。ご体調により、ご自宅への出張も可能です。
ご本人には、公証役場でのご署名・実印でのご押印と、印鑑証明書のご用意をお願いしています。作成当日は、公証人がご本人に内容を口頭で確認します。ご意向をご自身の言葉でお話しいただく場面がありますので、その点だけご承知おきください。
自筆証書遺言の場合は、文案をお渡ししたうえで、全文をご本人に手書きしていただきます。財産目録だけはパソコンで作成したものを添付できますが、その各ページにご署名・ご押印が必要です。法務局に預ける場合は、申請もご本人が出向いて行います。
よくあるご質問
まだ元気ですが、早すぎるということはありませんか?
一度書いたら変更できませんか?
夫婦で1通の遺言書を作ることはできますか?
証人は誰でもなれますか?
封をした遺言書が見つかりました。開けてよいですか?
体が不自由で公証役場まで行けません。
「うちは大丈夫」と思われる方こそ、一度ご相談を
仲の良いご家族でも、いざ手続きが始まるとつまずく点があります。財産の一覧と、ご家族の状況をお聞かせいただければ、遺言書が必要かどうかも含めてお答えします。ご予約はフォームから24時間受付。
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